日本人が資産を銀行に預金する理由
日本では自分の資産を銀行に預ける人が大半を占めている。
最近は国が資産運用を進めていることもあり、今後預金の割合が減っていくかもしれないがアメリカなどの諸外国と比べるとその割合は依然として高い。
これは各国の資産割合を見てもわかる。
現金・預金比率
日本 52%
欧州 35%
米国 13%
株・投資信託
米国 47%
欧州 25%
日本 16%
日本は失われた30年によって賃金はほとんど上がっておらず他の先進国と比べても相対的に貧しくなっている。
そのうえ資産も銀行に預金している人が多い。
ご存じの通り、日本ではゼロ金利時代が長く続いており、銀行に預金しても利息はスズメの涙ほどしかつかない。
そのため賃金が上がっていない上に所有している資産を増やすことができていない。
アメリカは大国でありながら経済成長を続けており、その上、株や投資信託によって資産を増やしているため日本との資産格差は拡大している。
ではなぜ日本人はほとんど資産が増えない銀行預金に多くの資産を眠らせているのだろうか。
それは戦時中の名残が未だに残っているからだ。
日本が戦争をしているとき、軍事費などを調達するために莫大な資金が必要だった。
そこで政府は国民から資金を集めるために貯蓄奨励キャンペーンを行った。
銀行にお金を預けるだけで利子が付くということもあり、国民はどんどん自分の資金を銀行に預けるようになった。
この大きなプロパガンダによって政府は国民に貯蓄=美徳という考え方を植え付けることに成功したのである。
この時の名残がまだ日本人の考え方に残っている。
そのため時代の流れに遅れてしまっているのだ。
株式投資はお金が減ってしまうというリスクがある。
その点、銀行は倒産しない限り、自分の資産がなくなる心配は少ないから安心というのもわかる。
しかし日本はすでに資産運用によってお金に働いてもらわなければ豊かな生活が送れないという段階まで来ているのである。
私がおすすめしているのは積立NISAでインデックスファンドの投資信託を買うことだ。
私は楽天・全世界インデックスファンドというものとeMAXIS Slim米国株式(S&P500)という商品を買っている。
米国株式の割合を高くしているのはアメリカは人口が今後も増える見込みであり、日本企業よりも株主へ利益を還元してくれる企業が多いからだ。
またS&P500というのは日本の東証一部のようなものだが日本よりも流動性が激しく生き残るのが厳しい。
東証一部は一度上場してしまえば業績が悪化しない限り、上場廃止になることはないがS&P500の場合、本当に素晴らしい会社でなければすぐに対象から外されてしまう。
つまり東証一部がプロからアマチュアまで老若男女混合チームだとしたらS&P500は選ばれた者だけが入れるプロ野球のオールスターチームなのだ。
東証一部のTOPIX等よりもアメリカのS&P500の方が運用成績が良いというのは言うまでもない。
あのウォーレンバフェットも「私が死んだら現金の90%をS&Pのインデックスファンドに投資しなさい。」と言っている。
ただ一つの国に偏って運用するのはリスクがあるためそのあたりはバランスを見る必要があるだろう。